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任意整理

 「裁判所を通さずに司法書士が債権者(貸主)と交渉して,借金を利息制限法に引き直し計算して減額し,今後の利息をカットしてもらい,3~5年の期間で分割払いの返済をするという手続きです。任意整理手続きの中で,過払い金が発生している業者がある場合には、その返還を求め,取り戻した過払い金を他の業者への借金の返済にあてることもあります。

1 任意整理とは

 任意整理とは,裁判所を通さずに司法書士が債権者(貸主)と直接交渉をし,原則として,借金を減らした上,それを無利息で返済するという手続きです。

利息制限法による借金の減額

 任意整理では,必ず利息制限法の適用による借金減額の検討をします。利息制限法とは,利息について法的に有効な部分の上限を定めた法律です。利息制限法で定める上限金利(15~20%)を超えた部分の利息の支払いについては,その超えた部分が法律上無効の支払いとなり,これを過去に遡って,借金の元本の返済とすることができます。

借入金額上限金利
10万円未満年20%まで
10万円以上100万円未満年18%まで
100万円以上年15%まで

例 50万円借り入れで利息が28%だった場合(18%は有効,10%は無効) 28%-18%=10% → この10%の利息の支払いを過去に遡って,元本に入れることができる。

 任意整理では,過去に遡って,返済し過ぎていた利息分を元本に入れ,法律上返済しなければならない有効な借金の額を明らかにします。 そのため,利息制限法の上限金利を超える利息で借り入れを行っている方は,任意整理をすると,借金は減額していくことになるのです。

 また,この支払い過ぎた利息分を元本への支払いとして計算し直した結果,借金は減額していき,ある時期になると借金は払い終わり,元本を超えて返済している場合があります。この元本を超えて払い過ぎたお金のことを過払い金といいます。

貸金業者との交渉

 任意整理では,取引開始時から現在に至るまでのあなたの取引を,利息制限法の上限金利(15~20%)に金利を引き下げて計算すること(引き直し計算)によって借金を減額し,原則として,減額して残った借金の将来利息をカットしてもらい, 元本のみを3~5年の期間で分割返済するとの和解を業者と結ぶことになります。

 また,任意整理手続きにおいて,過払い金が発生している業者がある場合には,その返還を求め,取り戻した過払い金を他の業者への借金の返済にあてることもあります。

2 任意整理のメリット・デメリット

メリット ①裁判所を通さず,司法書士が債権者(貸主)と和解交渉をするため依頼者の負担が軽い
②整理する借金を選べる(例:住宅ローン,車,保証人付の借金を除いて借金整理するなど,柔軟な対応が可能)
③将来の利息をカットして支払っていくことができる
④過払い金が発生している場合,過払い金の回収も行う
デメリット ①ブラックリストに載る

3 解決事例

事例1 任意整理をすることによって,住宅を手放さなくて済んだ場合

・相談者  Aさん 男性・43歳・既婚・公務員・収入40万円/月

 公務員のAさんは,平均月収(手取り)40万円。10年ほど前に住宅(マンション)を購入したが,生活費や遊興費が足りなくなると,すぐサラ金業者などからの 借入れで賄うようになりました。これまでは返済のための借入れを繰り返してなんとか切り抜けてきたが,サラ金業者の借入限度額もいっぱいになり,それすらも 行き詰ってしまいました。債務整理はやむを得ないと覚悟しているが,何とか住宅だけは守りたいと考えています。

債権者 沖琉銀行(住宅ローン) 1783万4892円
A社  193万2543円
B社  99万9457円
C社  47万2368円
D社  46万9464円
E社  45万4636円
計  432万8468円(住宅ローンを除く)
調査結果 沖琉銀行(住宅ローン) 1783万4892円
A社  △122万9208円
B社  △52万7267円
C社  △5万4407円
D社  △52万3400円
E社  △67万9124円
計  △301万3406円(住宅ローンを除く)

■事件処理

 Aさんは,住宅ローンについての支払いが約160万円延滞しており,もう少しすると,強制競売にかけられて,住宅を失うところでした。 しかし,沖琉銀行の住宅ローンを除く5社で計432万ほどあった借金を,利息制限法に引き直して計算してみると,約300万円の過払いとなっていることが 分かりました。Aさんには,過払金で延滞分160万円を支払うので少しの猶予を頂戴する旨の話を沖琉銀行担当者とつけてもらい,サラ金業者には, 司法書士が過払金返還請求を行い,5社で計約300万円を返還する旨の和解を成立させるに至りました。その後,無事に延滞分160万円を過払金から支払い, 住宅は何とか守ることができました。

■コメント

Aさんの場合,毎月の手取りが40万円あるので,消費者金融への毎月の返済9万円さえなくなれば,住宅ローンへの毎月の返済12万円は無理なく払え, 余裕をもって生活していくことができました。今回,利息制限法に引き直して計算すると,消費者金融の支払は全くなくなり,過払いとなっている状態であったので, 任意整理手続きにおいて事件を処理することができました。

事例2 任意整理をすることによって,自営業を続けることができた場合

相談者  Bさん 男性・51歳・既婚・自営業・収入30万円/月

 リフォーム業を営むBさんは,月収手取り30万円ほどであったが,運転資金や得意先との接待費用のために消費者金融や信販会社から借入れをしてしまい, 合計約512万円の借金を負ってしまいました。琉球銀行の事業融資以外の借入れに対する毎月の返済が多額に上り,事業融資の支払いも困難になってきているため, 司法書士事務所に相談に来ました。

債権者 沖琉銀行  426万641円
A社  220万5835円
B社  168万7563円
C社  48万5328円
D社  37万2840円
E社  36万9254円
F社(車ローン)  55万2783円
計  512万820円(銀行と車のローンを除く)
調査結果 沖琉銀行  426万641円
A社  99万2491円
B社  117万874円
C社  △25万6975円
D社  20万6073円
E社  16万6011円
F社(車ローン)  55万2783円
計  253万5449円(銀行と車のローンを除く)
   △25万6975円

■事件処理

 Bさんは,沖琉銀行の事業融資への支払いは滞ってはいなかったが,消費者金融,信販会社への支払いが2か月分ほど滞納している状態で相談にきました。 沖琉銀行の事業融資を除く計512万ほどあった借金を,利息制限法に引き直して計算してみると,約253万円の支払い義務が残ることが分かりました。 業者との交渉によって,約253万円を5年60回払い,無利息,月4万3000円で支払っていく旨の和解を締結しました。

■コメント

Bさんは,任意整理を行う前,事業融資への支払いは毎月7万円,車のローンへの支払いは毎月1万5000円,事業融資を除く支払いは5社で毎月13万円ほどでした。 毎月の収入が30万円に対して返済への支出が21万5000円というのは,今後事業融資への支払いにも影響を及ぼすのは時間の問題でした。 今回,利息制限法に引き直して計算すると支払い残高は約253万円で,毎月の支払いは4万3000円まで落とすことができました。 Bさんに,事業融資の沖琉銀行へ毎月7万円,車のローンへ毎月1万5000円,消費者金融へ毎月4万3000円,毎月の支払原資合計12万8000円を確保することは 可能かと尋ねたところ,「可能である。」と答えたため,任意整理手続きにておいて事件処理をすることができた事例でした。」